唯唯漂うただの海藻

本やゲームなどの感想とか好きなことを書いていく。

「シークレットゲーム」「リベリオンズ」感想-人が真っ直ぐに生きるためには-

シークレットゲームトップ画面

「シークレットゲーム-KILLER QUEEN-」は、2006年に発売された同人アダルトゲーム「キラークイーン」の移植版です。

PC、PS2PSP、Switch、と移植されており、今回私はSwitch版をプレイしました。

リベリオンズ Secret Game 2nd Stage BOOSTED EDITION」は、20011年に発売された同人アダルトゲーム「シークレットゲーム CODE:Revise」のリメイクです。「シークレットゲーム-KILLER QUEEN-」の続編に当たる作品となります。

こちらもPC、PSP、Switchと移植されており、私はSwitch版をプレイしました。

これら2つのゲームはライターは違いますがテーマと内容は似通っていますのでまとめて記事にしてしまおうと思います。

「シークレットゲーム」のライターは「遥かに仰ぎ、麗しの」と同じ健速さんです。

健速さんが書いた別の話読みたいなーと思ってこのゲームにたどり着いた次第です。

hijikichi.hatenablog.com

ちなみにプレイ時間は「シークレットゲーム」が20時間45分、「リベリオンズ」が14時間45分ほどです。

シークレットゲームプレイ時間

「シークレットゲーム」感想

「シークレットゲーム」あらすじ

「シークレットゲーム」は、バトルロワイヤルものである。

ある日とある建物に突然13人が集められ、運営が用意したルールに従ってゲームをクリアしていかなければその建物から出ることができず死ぬことになる。

そのクリア条件というのも悪趣味で、誰かを殺せだとかそんな条件ばかりであり、集められた13人は殺し合いを避けられない状況を強いられていく。

その13人のうちの一人が主人公の御剣総一である。

総一は恋人を亡くした過去があり、その後悔から自殺願望を持っていた。

しかし恋人との約束である「ズルをするな、真っ直ぐに生きろ。」という言葉により、自殺できずにいたのだった。

人としての一線を越えないためには(ズルをしないためには)

 

総一は恋人を亡くした過去により、「誰かを守れなかった、犠牲にしてしまった」などといったような経験をしてしまえば元の自分ではいられないと知っていた。

そうした考えから総一は他の参加者が人殺しをしようとするのを止めようとするが、それは叶わず、結局は最初から一緒に行動していた一人の少女しか守ることができなかった。

なぜ彼らは人としての一線を越えることなく生き残ることができたのか。それは彼らが一人ではなく二人だったからであり、信頼関係で結ばれていたからである。

シークレットゲーム咲実ルート

・・・一人でいるとき、何もかも悪いほうにばかり考えてしまった経験がないだろうか。

私はしょっちゅうある。どうしようもなく臆病なのだ。

そんなとき、誰かがきてくれたらとたんにいい方に物事を考えられることがある。

これもそういう話だ。 

総一は咲実がいなければ頑張ることもなかっただろうし、咲実も総一がいなければすぐに殺されていただろう。(実際EP2とEP3では咲実は...)

信頼し合うためには

シークレットゲーム麗佳ルート

私のようにどうしようもなく臆病なキャラが麗佳だ。

EP1ではかなりの人を殺し、総一達とは敵であった麗佳だが、EP2では総一と一緒に行動することとなる。

麗佳は最初は人殺しに肯定的で総一と対立していたが、総一の人となりを知ったことで総一を信頼し協力することになる。

信頼し合うためには、どちらか片方が先に相手を受け入れることが必須である。

麗佳のような人間に一線を越えさせないようにするには、総一のような絶対に人を殺さないし人を助けるという強い意志を持つ人間が必要だった。

他の参加者の中にも総一のような強い意志を持つ人間は何人かおり、麗佳のような人間も何人かいるので、EPごとにキャラクター配置が違ってキャラクターの立ち位置も全然違ってくるところも面白いところだと思う。

人は完璧ではない

渚ルートエピローグ

EP3では、総一以上に後悔や罪の意識を背負う、渚という人物と総一はペアを組むことになる。

このあたりからは総一の内面にも焦点が当たっていく。

先述したが、総一は恋人を亡くした経験がある。

総一は恋人を守れなかった後悔により自殺願望を持っているが、「ズルをするな、真っ直ぐに生きろ。」という恋人との約束によって自殺できずにいたのだった。

そうした自殺願望と恋人との約束が、総一の自己犠牲精神の原動力なのだ。

渚は総一が人を裏切らないのは総一が弱いからだと指摘する。

裏切るよりは裏切られる方がマシだと。

そして渚と総一は自らの弱さを受け入れ、人は完璧ではないから間違いを犯すこともあるし、完璧な結果にならないこともあると自分を許すことができるようになった。

ズルをするな真っ直ぐに生きろ

シークレットゲームEP4

総一の自己犠牲精神の原動力は、恋人を守れなかった後悔からの自殺願望と、恋人との約束からだった。

総一は咲実達を守る過程で自分は死んでしまってもいいと思っている。
総一が咲実達を守っているのは、好きだからというわけでもなく信頼しているからというわけでもなく、亡くなった恋人の代わりにしているだけだった。

総一は咲実達のことを一人一人の人間として見ていなかったのだ。

それに比べて咲実は、総一を一人の人間として見ており、理解し、信頼していた。

総一は咲実に一人の人間として見られたことにより、総一も咲実達のことを一人一人の人間として見ることができるようになった。

そして咲実達と一緒に未来を歩んでいきたいと思うようになったのだった。

 

・・・感想を書くつもりが長々とあらすじを書いてしまった。私の悪い癖である。消すのもあれなのでこのままいく。

 

総一の恋人からの遺言である、「ズルをするな、真っ直ぐに生きろ。」というのがキーワードであり、そのためには人を理解し信頼することや自分の弱さを受け入れることが必要だった。

まあ人っていう字は支え合って人っていう字だし、お互い支え合えば真っ直ぐに生きられるって感じであろう。

さて、人というのは誰かと支え合わないとズルをせず真っ直ぐに生きることが難しいということはわかった。

このとき思うのが、片方の人物の負担が大きいのではないかということだ。

例えば、EP2の総一と麗佳。麗佳という人物はとても精神的に不安定な人物である。総一でも麗佳を安定させるのに時間がかかった。総一の方はかなり苦労した形になる。まあ総一はなんとも思ってないだろうが。

精神的に不安定な私としては、こういう風に人に負担をかけてしまうのがものすごく申し訳なく感じてしまうのだ。

そう考えると人っていう字も二画目の方に負担がかかってて気になってくる。

まあそうやって支えてもらって安定した後に今度は自分が沢山の人を安定させればいいのだが、私はいつまでも安定する気がせず、申し訳なくなるのだ。

終わり。

あとシークレットゲームの神OP曲貼っときます。


トラワレビト

シークレットゲーム -オリジナルサウンドトラック-
 

リベリオンズ」感想

リベリオンズネタ画像

正直あんまり書くことがない。

話としては「シークレットゲーム」の少し前の時間軸の話。

舞台が建物内ではなく山の中に変わり、参加者も「シークレットゲーム」のような幅広い年代の人たちではなく学生ばかりになって「シークレットゲーム」とは違った気持ちで楽しめた。

しかし全員が協力して終わりというゴールが見えていたので、人が死んで殺人ゲームになったあとは茶番にしか見えなくなってかなり読み飛ばしてしまった。

主人公(公式的には参加者全員が主人公らしいがここでは修平のこととする)は総一と違って不安定な人物だった。案の定ヒロインが死んだ瞬間に人としての一線を越えまくっていた。

オーラスルートでも超えてしまったが、そこは超えなかった人物が支えてねという感じの結論になっていた。

総一の恋人が死んだのは事故ではなくてリベリオンズの登場人物の誰か(修平か黒河あたり)が事故に見せかけて殺したんじゃないかと思う。

リベリオンズのテーマ

テーマとしては「シークレットゲーム」のものと加えて「理不尽と戦う意志」だろう。

まあこれに関しても今回は特に書くことがない。

評価

私なんかが評価やレビューなんてするのはおこがましいと今まで避けてきましたが、あまりにもノベルゲーム記事のアクセス数が少ないので今回から軽く総評と点数を書いておこうと思います。

「シークレットゲーム」85/100

これはいい点でも悪い点でもあるのですが、私の苦手なジャンルであるバトルロワイヤルものなのに、ストーリーが論理的に練られていて誰が生き残るのか簡単に予想できたので気楽に読めました。

基本的には選択肢はなくストーリーを読むだけのゲームなのですが、ある条件でラストだけ分岐し、私はそれを知らなかったのでクリアしてからデータを消して最初からやり直す羽目になってしまいました。

まあスキップを利用して1時間とかかりませんでしたが。これもいい点でも悪い点でもありますがストーリーが短く舞台が建物内なのでこじんまりとした印象でした。

短いながらも、人には支えてくれる人が必要だという主張が伝わってくるいいゲームだったと思います。

リベリオンズ」70/100

人が一人死んだ瞬間に殺し合いゲームに移行するという設定は面白いのですが、そのせいで全員が協力して終わりというゴールが見え、殺し合いに茶番感が出たのがちょっと気になりました。

あとストーリーがシークレットゲーム以上に短かったです。オーラスルートのEP4は1時間くらいで終わりますし、EP3も殺し合いに発展してからはすぐに終わりで、EP3とEP4で1セットみたいな感じでした。EP2はEP1で活躍しなかったいろいろなキャラが活躍したのはいいのですが、ただそれだけであまり必要性を感じませんでした。

主題はシークレットゲームとほぼ同じなので新しい発見はほとんどなかったのが残念でした。あとOP曲ボーカルが謎の歌い手だったのも評価-。

全体的にはクオリティは高いのでシークレットゲームの世界にもう少し触れていたいという方向けのゲームだと思います。

 

「シークレットゲーム」と「リベリオンズ」、サクッとプレイできて面白いのでおすすめです。

Switch版が安く買えていいと思います。連休によく半額セールをしているので待てばさらに安く買えます。ニンテンドーストアでほしいものリストに入れておくとセールが始まったらメールが来たりします。

store-jp.nintendo.com

PSP版もいいと思います。

シークレットゲームPORTABLE

シークレットゲームPORTABLE

  • 発売日: 2010/05/27
  • メディア: Video Game