どこのとは言わないけどとある読書会の課題図書です。
青空文庫で読みました。
今回初めて知ったんですが、青空文庫をKindle化って簡単にできるんですね。
青空文庫やなろうはスマホやタブレットで読むと目が痛くなるので敬遠していたのですが、Kindle化できるなら目にも優しいしマーキングもブックマークもできるしで文句ないです。
無料で一生暇つぶしできるやん。まーた外に出なくていい理由が増えてしまったわ・・・。
閑話休題。
春琴抄のあらすじはWikipediaのものを貼ると長いのでリンクだけ貼っておきます。
簡単に言うと、盲目の年下のお嬢様との愛を描いた話ですね。
盲目の年下のお嬢様(以下春琴)と聞いただけだと可愛げがありますが、実際の性格はかなりきついです。
春琴の身の回りの世話をしている佐助は、事実上結婚したような関係になっても召使い扱いされますし、佐助含む弟子たちにも体罰は当たり前でめちゃくちゃ厳しい。
理不尽暴力ヒロインってやつですね。ツンデレかどうかも微妙なところです。私個人の感想としてはたとえ美少女だったとしてもあまり関わりたくない人種です。
しかしそれでも佐助は春琴に献身的に尽くします。ドMかな?
佐助は春琴にある種の崇拝の念を抱いていました。
終盤、春琴が顔に大火傷をし、佐助の中の美しい春琴像が崩れかけた時、佐助は自ら目を潰します。(この描写は文章でもグロくてリアルで吐きかけました)
春琴の方は大分気が折れて来たのであったが佐助はそう云う春琴を見るのが悲しかった、哀れな女気の毒な女としての春琴を考えることが出来なかったと云う畢竟めしいの佐助は現実に眼を閉じ永劫不変の観念境へ飛躍したのである彼の視野には過去の記憶の世界だけがあるもし春琴が災禍のため性格を変えてしまったとしたらそう云う人間はもう春琴ではない彼はどこまでも過去の驕慢な春琴を考えるそうでなければ今も彼が見ているところの美貌の春琴が破壊されるされば結婚を欲しなかった理由は春琴よりも佐助の方にあったと思われる。
そういった佐助の態度から春琴の佐助への態度も柔らかくなるのですが、佐助はそういった春琴も春琴ではないと拒絶します。
佐助は自らの中に理想の春琴像を作り上げ、現実の春琴を媒介にしてその理想の春琴像を見ており、現実の春琴を見ていなかったわけですね。
春琴もまた、現実ではなく理想の春琴像を見てくれる佐助だからずっと一緒にいたわけであり、両者ともまさに物理的にも精神的にも盲目だったということでしょう。
でもこれって本当に愛していると言えるんですかね。相手の綺麗なところも汚いところも受け入れて時には支え合うのが愛するということだと思うのですが。
まあ両者ともこれで幸せみたいですし、これも一つの愛の形なんでしょうね。
といっても語り部の語り口によると作者の谷崎潤一郎氏もこの愛の形には否定的に感じますが。
文体についても触れておきます。
先程引用した文章を読んでいただけたらわかると思いますが、改行や句読点などが極端に少ないです。読みやすいとの感想が多いですが、私はちょっと読みづらかったです。ここどういうことだ?ああそこで区切るのねといちいち思考が中断させられました。まあ好みでしょうが。
無料だし1時間ほどで気軽に読めるので皆さんもよかったら読んでみてください。
漫画版もあるみたいです。
あとこれはびっくりしたことなんですが、「春琴抄」とちょっとぐぐっただけでYouTubeのおすすめ動画に全盲の人の動画が出てきました。
いつも思うけどYouTube君優秀すぎる。ちょっとぐぐっただけですぐに関連した動画おすすめされます。
その動画を見て思ったのは、その全盲の人は小学校低学年くらいの小さい子なんですが、全盲でも外に出て楽しそうに暮らしていて感心しました。
私は五体満足なのに鬱々と毎日ひきこもっているというのに。私が最後に外に出たのは友達とエヴァの映画を見に行った2ヶ月前です。いや本当に。2ヶ月間一切外に出ていません。
私もネガティブ感情にばっかり囚われてないで楽しく生きたい。