唯唯漂うただの海藻

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「テイルズオブイノセンスR」感想-人との絆が自分を形成する-

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テイルズオブイノセンス』は私が初めてプレイしたテイルズ作品なので、思い出深いゲームです。

テイルズオブイノセンス』は2007年にNDSで発売されたゲームですね。

今回感想を書く『テイルズオブイノセンスR』はそのリメイク版で、2012年にPSVitaで発売されたゲームです。

もう9年前のゲームになるのか・・・。発売を記念して渋谷のモニターをジャックするよってニュースを見たのつい昨日のように感じるんですけど。時の流れ早すぎ。

 

 

あらすじ

世界は騒乱の真っ只中にあった。王都レグヌムと西の国ガラムとの間では戦争が勃発し、戦争により大地は荒れ果て、戦争孤児や食料不足などが深刻化していた。

そんな中、世界に「異能者」と呼ばれる超人的な力を持つ者が現れ始めた。その力は強大すぎるため忌むべきものとし、王都レグヌムでは「異能者捕獲適応法」と呼ばれる法案が施行された。この法律により、レグヌムを中心に異能者狩りが始まった。

この事態に「アルカ教団」という組織が立ち上がる。アルカ教団は、異能者らを保護する団体を名乗り、世界各地で信者を獲得していった。

異能者の存在により、さらに混乱する世界。そして商家の一人息子、ルカ・ミルダは自らの中の異能の力を呼び覚ましてしまう。

引用元:Wikipedia

「異能者」というのは、前世の記憶を持つ者のことです。前世の記憶を思い出し、前世で持っていた力を使うわけですね。

昔どこかで、『テイルズオブイノセンス』のジャンルは「君とオフ会をするRPG」だと聞いたことがあります。

キャラクターたちが出会って自己紹介をする時に、前世では〇〇でしたと言うところはまさしくオフ会そのものです。最初に言い始めた人天才。

ルカとスパーダ

これは前世で仲が良かった二人が再会するシーン♂

主人公達は、その異能の力のせいで国に追われます。そして追手から逃げながら仲間を集め、前世の記憶を思い出していきます。

ストーリー感想

イノセンス冒頭シーン

主人公のルカは、とても気の弱い少年です。友達からは半分パシリ扱いされているし、商家の跡取りをさせようとしている父親にも商人ではなく医者になりたいという自分の気持ちをずっと言い出せずにいます。

ですが、ルカの前世はかつて天上界統一を成し遂げたアスラという将軍で、とても勇気のある人物です。

ルカはアスラに憧れ、アスラの果たせなかった世界平和という夢を叶えようとします。公式ジャンル名の「想いを繋ぐRPG」はこのあたりから来てるんじゃないでしょうか。

アスラとイアンナ

しかし、現代が戦乱の世なのは最愛の人であるイアンナに裏切られアスラが人との絆に絶望したからでした。それを思い出したルカもまた、絶望します。

人との絆とはなんでしょうか。硬い結びつき・・・というのは少し抽象的ですので、私はお互いに信頼し合うことだと考えています。アスラは人を信頼できなくなってしまったんですね。

ルカは完全に絶望する前に仲間たちのことを思い出します。前世の記憶を全て思い出せたのは、信頼できる仲間たちがいたからでした。ルカは仲間たちとの絆を信じることにします。

そしてルカたちはアスラが果たせなかった夢を叶え世界を救い、日常へ帰ります。日常へ帰ったルカは、旅に出る前よりも勇気のある人物になっていました。

エディとニーノ

人に自分の気持ちを言えないのは、その人のことを信頼していないからではないでしょうか。人との絆を信じたルカは、周りの人を信じ、自分の気持ちを言う勇気を手に入れたわけですね。

エピローグ

 

とまあ物語の流れはこんな感じなわけですが、他のテイルズシリーズに比べて「テイルズオブイノセンス」のボリュームは体感半分くらいなので、少し物足りなかったです。だいたい他の作品では世界2周か3周くらいするところをイノセンスでは1周して終わりですからね。まあ他の作品が長すぎると言われたらそのとおりなんですが。スパーダやエルマーナなど他のメンバーの話ももうちょっとやってほしかったなと感じました。

キュキュ

あとは新メンバーのコンウェイとキュキュですね。異世界から来た設定の二人ですが、裏ボスまでクリアしても結局その世界のことがよくわからずじまいだったのは残念です。『テイルズオブハーツR』でも新メンバーに同じ異世界からのキャラが追加されましたが、そこでもよくわからずじまいで、おそらくその後『テイルズオブテンペストR』や他に新作を出すつもりだったのでしょうが今となっては望みゼロでしょう。少し不完全燃焼です。

あと、昔オリジナル版をプレイしたときはイリアとスパーダはルカに対して結構意地悪な印象を受けてましたが、今回のプレイでは両者とも普通に常識人で、こんなもんだったっけと感じました。調べてみたら、『テイルズオブハーツR』のヒスイと同じく柔らかく性格を改変されたみたいですね。オリジナル版をプレイしたときはこの二人ちょっと怖いと思っていたのでよかったと思います。

私もルカと同じく気弱な人間ですので、オリジナル版プレイ当時はルカに感情移入してプレイしていました。まあ結局私はルカのように人を信じ勇気を出すことも出来ずひきこもってますけど。弟はルカのことをかわいいと言っていましたが、当時私はルカに感情移入していたのでそういう感情はわかなかったんですよね。今回のプレイではもはやそんなレベルではないのでルカくんがすごくかわいく感じました。ルカくんすごくいい子だしかわいい。

戦闘について

戦闘シーン

格下との戦闘は爽快感がありますが、格上やボスとの戦闘はスーパーアーマーを剥がさなくてはならず、面倒でした。

2.3回通常攻撃→ガードや回避→スーパーアーマーが剥がれたら術技連打でコンボ繋ぐって感じですね。結構地味な戦闘でした。しかもコンボ中に敵がカウンターしてくることもあり、タイミング良くこちらもカウンターを返さないとコンボが途切れる上に大ダメージを食らいます。

読書やADVが好きな人ならわかると思いますが、RPGの戦闘ってだんだん面倒になってきて話だけ進ませろってなってくるんですよ。

なのでホーリィボトル(ポケモンで言うむしよけスプレーみたいなもの)を使って雑魚戦を回避していくので中盤以降はずっと格上との戦闘になります。一体相手のボス戦は操作キャラで引き付ければなんとかなりますが、多数相手の雑魚戦だと仲間がどんどん死んでいって油断してたら全滅します。いやまあレベル上げしろよって話なんですけどね。クリア後ダンジョンの4層目あたりで心折れてイージーモードに切り替えました。それでも8層目のボスは倒せる気がしなくて諦めてプレイ動画で済ませました。7層目で『テイルズオブハーツ』の映像見れたみたいに『テイルズオブテンペスト』の映像が見られるだけみたいなのでまあいいでしょう。

総評

他のテイルズ作品と比べて短いながらも、無難にまとまってますので、じっくりではなくお手軽にテイルズ作品を楽しみたい人におすすめです。

闘技場などのやりこみ要素も充実していて、トロフィーコンプするなら実働時間で80時間くらいかかると思います。普通にプレイするだけなら20時間前後です。私はかなりゆっくりプレイしてても裏ボスまで23時間くらいでした。

ストーリーは悪くない。キャラクターもみんないい子で不快なキャラはなし。戦闘もそこまで難しくないのでやはり気軽にテイルズ作品をプレイしたい人や初心者向けの作品ですね。

 

次に私がプレイするテイルズ作品はリバースかベルセリアだと思います。リバースは10年前くらいに途中で積んでいて、ベルセリアはPS4で買い直しましたので。リバースをクリアしたらテイルズ作品でプレイしていないのはゼスティリアだけになります。まあゼスティリアは多分一生やらないでしょうけど。