唯唯漂うただの海藻

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「ペルソナ3」感想-後悔のないように生きたい-

ペルソナ3タイトル

ペルソナ3』は2006年にPS2で発売されたゲームです。先日の火曜日、2021年7月13日でちょうど15周年だったみたいですね。

今回私がプレイしたのは2009年に発売されたPSP版の『ペルソナ3ポータブル』です。

なんで今さらプレイしたのかというと、とある音ゲーでED曲である『キミの記憶』がカバーされているのを聴いて思い出したからです。


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『キミの記憶』はすごく好きな曲です。10年以上前にラジオかなにかで初めて聴いたのですが、歌詞と曲調が良すぎて一発で好きになりました。いつだっていつだっていつだってのところで毎回泣きそうになる・・・ならない?同時にペルソナというゲームにも興味を持ちましたが、当時はPS2を所持していなかったので諦めました。

 

 

あらすじ

2009年4月。10年前に両親を事故で亡くし、親戚に育てられた主人公は、家庭の事情で小中高一貫校である月光館学園の高等部に編入することになった。しかし、学生寮に入寮して間もなく、彼は異形の怪物・シャドウに襲われ、秘められていたペルソナ能力を覚醒させてしまう。それがきっかけで、主人公は隠された世界の真実の一端を知らされることになる。

引用元:Wikipediaより

ストーリー感想

アルカナと人生の旅

さて、みなさんもご存知の通り、『ペルソナ3』のテーマは「生と死」です。

その話に移る前に、とある日に江戸川先生が授業で言っていた言葉を思い出してみようと思います。

一応以下からはネタバレ注意です。

最初の0番、"愚者"のカードは、始まりを意味し、無限の可能性を示唆します。
つまり、人生の始まり、ですね。
"魔術師"は創造、そして積極性…だが、未熟さを表すカードでもあります。
(中略)
そして最後の"宇宙"。
やがてたどりつく、あなた自身の場所です。
これがタロットの説く"人間"の成長ですよ。

全文はこちらで→アルカナと人生の旅

体言止め多用しすぎて読みづらくて毎回読み飛ばしていた江戸川先生の授業ですが、この授業の時は「お?」となってしっかり読んでしまいました。

めちゃくちゃ重要そうでしたのでメモっていましたが、調べてみるとやはりペルソナシリーズ通しての重要なテーマみたいですね。

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タロットが示す、人間の内面性なり可能性なりをゲームデザインに組み込んでみたいという思いと、0番目の“愚者”から始まって13番目の“死神”──すなわち“死”にいたるタロットの流れそのものが、『ペルソナ3』のテーマになり得たことも、作品の根幹部分にタロットを取り入れた理由です。

0番目の“愚者”から13番目の“死神”が『ペルソナ3』のテーマみたいです。

ラスボスのニュクスが13回倒して終わりなのもそういうことだったんですね。21回倒す覚悟をしていたので、なんで13回で終わったんだろうとちょっと疑問に思っていたのが解決しました。

ペルソナ3ニュクス

コミュについて

ペルソナシリーズをプレイしたことがない人は、タロットカードってなんのことやねんって思うんじゃないかと思います。

ペルソナシリーズでは、街の人との絆を深めていくことができ、絆を深めることで強いペルソナを作ることが出来るようになります。そうやって街の人との絆を深めるシステムが「コミュ」です。だいたい20人くらいの人と絆を深めることができ、一人ずつそれぞれタロットカードが振り分けられています。愚者のコミュ、魔術師のコミュ、女教皇のコミュ・・・といった感じですね。

ペルソナ3刑死者

先程アルカナと人生の旅について書いたと思いますが、今思えば全部アルカナのカード通りの話だったと思います。

愚者は始まりのカードでシナリオが進むにつれて成長していきますし、魔術師は未熟さを表すカードで、教師に憧れて告白して付き合っているつもりだったけれど実はうまくあしらわれていただけでそれに気づいて成長するっていう話でした。で、女教皇から刑死者まではそんな感じでカードの内容通りの精神の成長の話が続きますが、死神の次の節制のカードからは「死」が関係してきて暗い話が多くなってきます。

節制以降のコミュは中盤以降にならないと発生しませんし、明確に分かれていたんですね。女帝のコミュが終盤まで発生しないのはなんでって?知らん。

私が特に好きなのは「星」「月」「太陽」の3つのコミュです。身近な人の死を受け入れて前に進む話や、自らの死を受け入れて生を肯定する話でした。

ペルソナ3太陽

生と死について

0番目の“愚者”から13番目の“死神”が『ペルソナ3』のテーマだと言われていますが、『ペルソナ3』で一番印象に残るのが「死」なんですよね。なので13番目の「死神」がメインテーマだと考えてもいいんじゃないかと思います。

中盤までは普通に学生生活をおくりながら月に一度現れる敵を倒すくらいで、ゆったりと話が進んでいきますが、とあるキャラクターが死んでしまって死が身近なものとなり、「死」と「生まれた意味」について否応なしに考えさせられていきます。

ペルソナ3』の登場人物たちは、身近に「死」が迫っていると知り、「生まれた意味」について悩みます。確かに「死」はとても恐ろしいものです。ですが、恐ろしいのは「死」そのもののことでしょうか。本当に恐ろしいのは「死」ではなく、「生きているうちに何もなし得ることができないこと」なんじゃないでしょうか。

私も、「なんで生まれたのか」だとか、「自殺」だとかたまに考えますが、このまま死ぬまで何も成し遂げることが出来ないんじゃないかと考えると吐きそうになります。たぶんみんなそうなんじゃないでしょうか。

ペルソナ3』の登場人物たちは、死が間近に迫り避けることも出来ないと知り、その事を全部忘れて日常に戻るかの選択を迫られますが、それでも抵抗することを選びます。何の目標もなくその日その日を生きるよりも、例えその結果死んでしまうとしても意志を貫いたほうがいいとのことです。

ペルソナ3ゆかり

こんなこと言ってるけど忘れるルートではその日その日を生きることを肯定してるし、恋愛コミュでは一人で生きていくという考えを見せておきながら数ヶ月で彼氏作ってよろしくやってるという…ゆかりっちさあ…

本当に恐ろしいのは「死」ではなく、「生きているうちに何もなし得ることができないこと」だというのはわかりました。では、そういった「生きる目標」であったり「生まれた意味」だったりしたものはどうすれば手に入るものなのでしょうか。
ペルソナ3』の登場人物たちは、他者との関わりこそが「生きる意味」であり「生きる」ということだと言います。

ペルソナ3アイギス

誰かに影響を与えることが「生きる意味」であり、「生きる」ということだと。「生きる目標」も、他者との関わりから生じるものだということです。

たしかにそうかもしれません。私が無気力でほとんど寝たきりなのは、他者と全然関わらずに一人でいて、何を目標にしたらいいかわからないからです。他者と関わるのが嫌なので、向上心やら何やらも起きるはずもなく、無気力で一日中寝たきりなのは当然の結果です。4ヶ月以上外に出ていない私が言うと説得力あるでしょう😄。

さて、とは言ったものの、「生きる意味」について真剣に考えることってあんまりないと思います。そういったことを一番考えるのはどういうときでしょうか。そう、「死」を身近に感じたときですね。

ペルソナ3順平

死を自覚したときこそ、人は真に成長し新しく生まれ変わるのではないでしょうか。

今思えば、ペルソナ3では自分の頭に銃を撃ってペルソナを出すのは、自分の頭に銃を撃つことで死を意識して強くなるということを示していたのではないでしょうか。こんなところから伏線があったんですね。

0~12番目のカードは精神の成長のカード。13番目の「死神」のカードは、古いものが終焉して新しいものが生まれるという意味を持つカードです。

前半は精神の成長を描き、後半で死を描き新しく生まれ変わることを描く。まさしく『ペルソナ3』は0~13番目のカードがテーマの話でしたね。

ペルソナ3江戸川

生というのは有限で儚いもの。だから無駄にできない。後悔のないように生きていきたいですね。

ペルソナ3アイギスその2

生きてるうちに周囲の人達をもっと大切にしようと思いました。私は外に出れないのであまり派手なことは出来ませんが、家族の毎日の料理をちょっとこだわるとか身近な出来るところから出来ればいいなと思います。

あ、それとラストのシーンのことですが、私は1月31日に主人公は死んでその後の主人公の行動は全部コミュ関係の人が見た夢みたいなものだと思っていました。本当はみんな主人公とアイギスのことは忘れてて約束の日に思い出すけどやっぱり主人公は死んでいたみたいな。アイギスだけは主人公の霊体みたいなものを感じることができたけどそれもそこで消えたって感じ。エピソードアイギスではどんな感じのオチにされてるんですかね。まあ何にせよこうやって自分のやりたいことをやって終わった主人公って魅力的ですよね。未だにこの主人公への夢女子がいるのがなんかわかる気がします。

PS2の『ペルソナ3フェス』かPSPの『ペルソナ3ポータブル』か

ペルソナ3ポロニアンモール

ペルソナ3フェス』のメリットは、ポータブルと違ってほぼ3Dなのと、後日談であるエピソードアイギスがあるくらいですかね。

3Dは人によってはデメリットです。ペルソナシリーズは日常を進めていくゲームですので、3Dの移動で毎回いちいち時間がかかるのはストレスだったりします。ゲームの世界に入りやすいのはまあこっちだとは思いますが。私はサクサク進めることができるポータブルの方でよかったと思います。

エピソードアイギスは、アイギスにんほった話だと言われているのでそこまでやる必要はなさそうです。

ペルソナ3ポータブル』のメリットは、先程も言ったように2Dでサクサク進められることと、女主人公でできることでしょうか。

2Dでサクサク進められるといってもそれでも私はクリアまで50時間超かかりました。3Dだったらもっとかかってたと思うと恐ろしいですね。

女主人公は、2周目以降推奨っぽいです。本編と違って救いのあるルートっぽいので好みが分かれそうですね。あと一部のコミュが男主人公のときはなかった男仲間キャラのコミュに変更されてるみたいです。というかかなりガッツリ変更されてますね。それでも私は1周でだいぶ満足してるのでしばらく女主人公で始める気はないかなあ。

とまあそんな感じで私個人としてはサクサク進められることができる『ペルソナ3ポータブル』がおすすめです。

戦闘などゲームシステムについて

ペルソナ3タルタロス

ペルソナの合成は楽しいですし、弱点をついていく戦闘も楽しいです。けれどもタルタロス、テメーはダメだ。

いやまあダメってほどではありませんが、かなり面倒な部類です。

ペルソナ3』ではダンジョンというものがほぼなく、基本的に戦闘やお金稼ぎなどはタルタロスでやっていくこととなります。タルタロスは254Fにもなるダンジョンで、マップは毎回ランダムです。マップが狭いので敵を避けづらく、仲間に周囲を探索させようとしても敵に捕まって全然探索できてないことが多々あります。また、依頼に必要な敵が出てきづらく、アクシデント日に行っても依頼達成まで数時間かかってしまうこともあります。『ペルソナ3』の周回プレイをするのをためらう理由はだいたいタルタロスだと思います。

あとはコミュごとにペルソナをいちいちつけかえるのが面倒とかですね。コミュでの選択肢も正解しないと後々面倒ですので、攻略サイトを手放すことができません。時限があるゲームはこれだから・・・。といっても、しっかりやっていればラスト数ヶ月はほとんどやることがなくなります。私はラスト数ヶ月は帰って寝てばかりでした。

総評

ペルソナ3アイギスその3

評判通りの名作でした。「生と死」についてよく考えさせられる話だったと思います。数日でコロコロと台詞が変わったりイベントが発生したりするので、飽きも全然来ません。ただクリアまでかなり時間がかかるのでそこは注意ですね。そことPSP特有の画質の粗さに目を瞑れば今でも十分に楽しめるゲームだと思います。あと私の予想ですが、数年のうちにリメイクが発売されそうな気がします。

 

次はペルソナ2をプレイするつもりでしたが、アルカナと人生の旅という点から考えると次はペルソナ4をやるのが定石っぽいですね。

といっても、どちらをやるにしてもしばらく間を開けるつもりですのでその時の気分で考えたいと思います。

ほな、また・・・。