唯唯漂うただの海藻

本やゲームなどの感想とか好きなことを書いていく。

「かがみの孤城」感想-不登校やひきこもりを解決するには周囲の理解が必要だと再確認した-

不登校がテーマみたいなので読んでみました。

私も元不登校児ですからね。

あらすじ

同級生から受けた仕打ちが原因で不登校が続き、子供育成支援教室にも通えずに部屋に引き籠る生活を続けていた主人公の中学一年生の女の子「こころ」が、5月のある日自室の鏡が光り、その向こうにお城で自分と似た境遇を持つ中学生6人と出会い、彼らとともに冒険していく。

引用元:Wikipediaより

簡単に言えば、心に傷を負った7人の中学生の家の鏡とお城が繋がり、お城の中で交流していくうちに前向きに生きるようになる話です。

最初ダンガンロンパみたいに殺し合いが始まるんじゃないかと若干ヒヤヒヤしましたが全然そんなことはありませんでした。

感想

結論としては、助け合えたり救ってくれる人がいるとわかれば勇気が出せるって感じです。

特に大人ですね。結果的に全員別の世代の人に救われています。不登校やひきこもり問題はやはり周囲の大人が理解してあげることが大切だと再確認しました。

救われた人がまた別の人を救っていったり、お互い救いになっているのもいいと思いました。

不登校やひきこもりといってもひとりひとり事情が全然違いますし簡単ではないんですよね。

以下本文引用からの感想やら自分語り。

平日午前中の十一時というのがこういう時間なんだということを、こころは学校を休むようになって初めて知った。

これわかります。

昼間みんな学校行ったり仕事したりしているのに自分は部屋で布団にくるまっているのがすごい罪悪感あるんですよね。私も20歳くらいまではずっとそういった焦りや罪悪感を抱えていました。今となってはもうなんとも思いませんが。だって無理なものは無理ですし😩。

この人たちは、私にいつまでも、餃子の皮しか食べない子どもでいて欲しかったんだろうか。  ──今みたいに学校に行けない子になる、前のままで。

不登校やひきこもりの子を持つ親は子を理解しようとせず自分の理想を押し付けている人が多いです。うちもそうでした。

私は無駄に偏差値の高い学校に通っていたので出来が良いと勝手に思われていて、今成績が悪かったり人見知りでもなんとかやっていくだろうと決めつけられていました。私は表面上はちゃんと学校に通ってはいましたが、実際は親がいない日を見計らってサボったり、行くのが嫌で電車をずっと往復したり公園やショッピングモールでボーッとしたりしていました。今考えれば授業料もったいなさすぎて吐きそうになるんですけれど、本当に行くのが嫌だったんですよね。マンションのエレベーターで誰かと一緒になるのも嫌だし、最寄り駅まで自転車で行くのも嫌だし、自転車置き場のおじさんに挨拶するのも嫌だし、満員電車に乗るのも嫌だし、乗り換えて次の電車を待つのも嫌だし、また満員電車に何十分も乗るのも嫌だし、そっから学校まで何十分も歩くのも嫌だし、ギュウギュウに人が詰まった教室でつまらない意味もわからない授業を6時間8時間と聞くのも嫌でした。兵役か何かかな?なんでみんな平気でこなしてるんだ・・・。出席日数は大丈夫でした。出席確認する教師があんまりいなかったので、放課後にはしれっと教室にいて、担任に「今日朝から来てたっけ」と聞かれても「来てました(大嘘)」でなんとかなってました。まあたぶん見逃してくれてたんでしょうけれど。

とまあ自分語りが長くなりましたが、うちの親は多分私が半不登校だったのに気づいてなかったですね。親の理想通り普通に通えていると演じていましたし。学校行くの辛いといえばよかったと思われると思いますが、言えませんでした。幻滅させるのも嫌だし、ヒステリーと暴力を食らうのをわかりきってましたからね。環境が狂っていました。環境大事。

驚きすぎて、言葉が継げなかった。親が学校に行く必要がないと言うなんて。むしろ行かなくていい、馴染めないとしてもそれは学校や先生の方が悪いと言うなんて、うちには絶対にない考え方だ。

私も学校行きたくないなら行かなくていい派です。無理に行っても何も身になりません。私は学校にいる間ずっと思考を殺して何も聞いてませんでしたし。高望みしなければ小中高の勉強なんて自習でなんとかなるので授業を無理に聞く必要はありません。

それよりも、学生時代で一番で大切なのは信頼できる友達や人や居場所を見つけることだと思います。最近通信制高校や支援学校のブログをちょくちょく覗いていますが、私もこういうところのほうが合っていた気がします。同じような悩みを抱えた人と交流したかったですね。

構わないでもらえることが、一番楽で、嬉しい。  だけど、この先もずっとこうなのかを考えると、体がものすごく重たくなる。

はい。

嘘みたい、信じられない、気持ち悪い、眩しい──、言葉は無数にあるけれど、これら全部に当てはまる感情に、こころは気づいた。  怖い。  コンビニが、怖い。  胸に当てたペットボトルが冷たい。その冷たさを縋るように抱えながら、こころは唐突に悟った。  無理だ。  ショッピングモールまでなんて、とても行けない。

はい。

 

かがみの孤城』、色々考えさせられる話でよかったと思います。500ページ超と少し長いですが難しい言葉もなくとても読みやすい文章なので小学生でも読めると思います。ただ読書に慣れている大人だと伏線がわかりやすすぎて登場人物達が少し滑稽に見えるかもしれません。まあそれでも楽しめると思います。

で、私のところに岬ちゃんはいつ来るの?ずっと待ってるんだけど😡。