唯唯漂うただの海藻

本やゲームなどの感想とか好きなことを書いていく。

「アメイジング・グレイス -What color is your attribute?-」感想-あなたの持ち味はなにか?-

アメイジング・グレイスタイトル画面

萌えゲーアワード2018シナリオ章金賞受賞作品。

プレイ時間は20時間くらい。

SFタイムリープものです。

同じ月を何度も繰り返すことになりますが、わかってるところは飛ばされてサクサク進むので読みやすかったです。

PS4版が2週間前の9月26日発売だったので特に季節は関係ないと思っていましたが、おもっきり冬ゲーです。冬にプレイ推奨です。増税の関係でこの時期に発売になったんですかね?

テーマ性よりもミステリー要素が強い作品ですが、いつものようにテーマに重点を置いて書いていきたいと思います。

 

あらすじ

主人公・シュウは記憶を失くし、雪の降る“町”で目を覚ました。
彼はそこをとても奇妙な場所だと思う。

中世の西洋を思わせるアンティークな町並み。
何よりも芸術を重んじる文化的価値観。

そして……町を囲むように閉ざしている、オーロラと呼ばれた巨大な壁。

だがシュウはそんな町の人たちに助けられ、
やがて聖アレイア学院という学び舎で学生たちと豊かな日々を過ごすことになる。
しかしそんな幸せはまたたく間に奪われる。
12月25日、原因不明の大火災により町は崩壊の一途をたどった。

誰よりも町を愛するユネは運命の変革を心に期し、
アドベントの初日─12月2日にまで時計の針を巻き戻す。

─なぜ、破滅は起こったのか?
─なぜ、何度やり直しても同じ運命を辿るのか?
─なぜ、これだけ時間を繰り返すことができるのか?


巡り巡る時の回廊。
その果てに待つ世界を知るべく、町というキャンバスに彼らは真実を描き出す。

引用元:きゃべつそふと

クリスマスに起こってしまう大火災を止めるため、主人公のシュウは12月を何度も繰り返すことになります。

アトリビュート

アメイジング・グレイスアトリビュート

サブタイトルにも使われているアトリビュート

アトリビュートとはその人物を象徴する物。トレードマークのことである。

なのでアメイジング・グレイスのサブタイトル、What color is your attribute?を意訳すると、あなたのトレードマークの特徴は?となる。

もっと意訳してみると、あなたの持ち味はなにか?みたいな感じだろうか。

つまり個性や価値観のことだろう。

個性

アメイジング・グレイス個性

シュウは聖アレイア学院に入って衝撃を受ける。

聖アレイア学院の学生達はみんな、個性と武器…いわゆるアトリビュートを持っている。

では個性とはなんだろう?どうすれば見つかるのだろうか。

美とは

アメイジング・グレイスのいう美しさ

美しいとはなにか?

何を美しいと思うかは人によって違う。

美の定義とはその人の価値観によって変わるのだ。

美とは自由

アメイジング・グレイス自由

キリエは言う。美とは自由のことであると。

倫理や他者に縛られない時こそ、人は美しく輝く。

ありのままの世界が美しい

アメイジング・グレイスコトハ

コトハは言う。ありのままの世界こそが美しいと。

神の掌で作られたデザイン、そのままの姿が最も美しい。

そしてそのような見慣れたありふれた世界にも、たくさんの未知がある。それもまた美しい。

美とは運命

アメイジング・グレイスユネ

美しい。

本当に美しい光景だった。

まるで俺たちを祝福するかのように、天空に浮かんだ青白い光の帯。

それは――俺が生まれて初めて見た本物だった。

(中略)

生きている限り人は何かを生み出し続ける。

作って、作って、時には壊れることだってあるのかもしれないけど。

シュウ「今まで俺たちがやってきたように……これからも、ユネと作り続けていきたい。運命も、家族も」

ユネとシュウにとっての美とは、運命であり、困難に立ち向かってきた日々である。

形のあるものだけがアトリビュートではなく、困難に立ち向かっていく日々、未来をよくしたいという祈り、そういったものも美しい。人生には過程しかない。

アメイジング・グレイス、黄金の林檎

以下は賛美歌Amazing Graceの歌詞の3番の部分。

Through many dangers, toils and snares
I have already come.
'Tis grace hath brought me safe thus far,
And grace will lead me home.

これまで数多くの危機や苦しみ、誘惑があったが
私を救い導きたもうたのは
他でもない神の恵みであった

引用元:世界の民謡・童謡

危機や苦しみとはアポカリプスのこと、誘惑とはノーマルエンドのこと。

アメイジング・グレイス黄金の林檎

物語の終盤で手にした黄金の林檎。

リンゴは愛による死を自ら選択したものへのご褒美…*1というわけではなく、

黄金の林檎は、数多くの危機や苦しみ、誘惑を乗り越えたシュウへの神の恵みだったんでしょう。

面白いけどテーマとはあんまり関係ないですね。

感想・駄文

結局は「誰にも指示されない己だけの価値観」を見つけましょうって話。

美についての主張は一見全員独立しているように見えるけどつながってるようにも見える。

自由に生きる→ありのままの世界を美しいと感じる→外の世界を見て自分のアイデンティティを再認識する*2→そうやって運命を作り続けていく

アトリビュートを作る4ステップって感じです。

あってるかどうかは知りません。

 

ストーリーですが、序盤の流れからシュウが色々なアトリビュートを持つヒロイン達と交流してそれについて(映画、絵画、服飾、歌)学ぶことで自分のアトリビュートを見つける話だと思っていました。

コトハルートまではそんな感じでしたが、サクヤルートからはそうでもない印象でした。というかサクヤルートとユネルートはシナリオの答え合わせみたいな感じでほとんどの部分が被ってる…なんとアフターストーリーまでほとんど被ってる。仲いいなこいつら。

結果的に前回プレイしたISLANDの結論に少し引っ張られる形になってしまい、自分の知識不足感が否めない。

キリスト教とか神話とか絵画とかその辺りの知識があればもっと違った感想になったと思います。

サクヤの主張もよくわからなかったので飛ばしちゃったし。ルソーの『夢』がどう関係してるのかさっぱりわからん。サクヤにとっての美とは何だったんだろう?シュウと一緒に過ごす日々?

黄金の林檎のCG、フクロウの羽だとかミネルヴァだとかもよくわかりません。

もっと色々知識をつけたいなーと感じました。(小並感)

上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門

上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門

 

景の海のアペイリア、ISLAND、アメイジング・グレイスと3連続でSFタイムリープものプレイしてきましたが、ちょっと疲れました。

というのは、今私が求めている物語は癒やしとテーマ性のある物語でして、ミステリー要素は割とどうでもいいんです。シリアスしんどい。

その点つり乙シリーズとオトメドメインは私のニーズにピッタリと応えていました。

なので次は屋上の百合霊さんをプレイします。テーマ性あるかどうかは知りませんが。その次は穢翼のユースティアの再プレイかな。

ポケモン剣盾出たらしばらくエロゲはやらないと思うのでそれまでにやりたいのは終わらせておきたいですね。まあ剣盾の出来次第ですが。育成環境改善されてなかったり対戦バランスガバガバだったらやりません。

 

景の海のアペイリア、ISLAND、アメイジング・グレイスの3つを比較しておくと、

個人的に一番面白かったのはISLANDです。テーマがわかりやすかったので。

アメイジング・グレイスは気付かなかったトリックが2つあって驚かされたのと、知識欲が刺激されたのが良かったです。

景の海のアペイリアは萌えとギャグでしょうか。アペイリアとましろかわいい。

ISLAND アニメ記念版

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アメイジング・グレイス -What color is your attribute?- - PS4

アメイジング・グレイス -What color is your attribute?- - PS4

 

*1:輪るピングドラムという神アニメ。みなさんも見ましょう。

*2:飛ばしたけどサクヤルートの主張はおそらくこんな感じ