百合ゲーです。登場人物女の子しかいません。
百合漫画と百合小説はよく読みますが、百合ゲーは初めてプレイしました。
青春モノで、爽やかでとても良かったです。
プレイ時間は40時間くらい。色々理由があって時間かけてしまいました(後述)。いつもの速度で読んでいたら20時間くらいだったと思います。
今回の記事、久々の5000字超えです。時間がない方はテーマについての部分だけ読んでいただければ大丈夫です。
人と関わるのは面倒なこと
気を使うのが面倒で人と関わることを避けている主人公、遠見結奈。
元々は世話焼きな人物だったが、みんなのために頑張ったらウザがられたというトラウマから、人との関わりを避けるようになってしまった。
そんなある日、学校の屋上でいるところを女の子の幽霊二人組に絡まれる。
二人は百合カップルで、学校の中の同じように女の子が好きな女の子を応援していたが、何もできないもどかしさを抱えていた。
結奈はそんな二人を手伝うこととなり、片思い中の女の子を後押ししていくことになる。
自分の内面を見せることは怖いこと
整美委員会副会長の相原美紀というキャラは、たくさんの人から頼られ、いつも仕事をしている。
しかし本当は、人から嫌われるのが嫌で頼まれたことを断れないだけだった。
美紀はそんな本当の自分のことを誰にも言えずにいた。
結奈はそんな美紀と自分を重ね、お節介をしてしまう。
本当の自分を出すことは怖い。
しかし、自分の弱みを誰かに告白することで気持ちは楽になるんじゃないだろうか。
誰かの世話を焼くことは楽しいこと
お節介を焼くことは迷惑なことだと思っていたけど、片思いの女の子を後押ししたり陸上部の料理係をしたり、人の役に立つということはやっぱり楽しいことだった。
幼馴染の比奈は、結奈が人と関わらないようにしていたのに気付いていた。
そして結奈は比奈に今までのことを告白する。
比奈は告白してくれて嬉しいと言い、結奈は自分の傷と向かい合うことができた。
本当の自分を見せ、弱みを見せるということは、その人を信頼している証。見せられた方も嬉しいものだ。
人と向き合うということ
人と向き合うということは、本当の自分のことを伝えること。また、相手のことも受け止めることだ。
人と関わることは面倒なことではない。そうやってお互い助け合うことはすごく楽しいことなのだ。
そして結奈は躊躇なくみんなに、飲み物買ってくるけど何がいい? と聞く。
だって人と向き合うということは、世話を焼く、焼かれることだから。お節介をすることは何も悪いことじゃない。
感想
テーマについて
テーマは「人との関わり」でしょうか。
ライト版の「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」「クロスチャンネル」ですね。
なぜこの2つの作品を挙げたかというと、こういうセリフとフレーズがあるから。
誰かを大切に思うということは、その人を傷つける覚悟をするということだよ。
引用元:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 8話
そしていつかは寂しさから手を伸ばし 優しく傷つけあって
引用元:CROSS†CHANNEL ED - CROSSING
人と関わることは傷つけ合うことかもしれない。
しかしそういった小さな傷つけ合いは心地良いものだ。
といったようなことをCROSS†CHANNEL主人公の黒須太一は言っていたと思います。
私は誰にも迷惑かけちゃいけないとか考えていたので、この考えには感銘を受けました。といっても結構色んな人に迷惑かけてましたが...引きこもっていれば誰にも迷惑はかけないよなあ!?
私は人に頼っちゃいけないとか考えてましたが、人に頼られたり助けたりすることは好きなんですよね。
私がそう思っているということは他の人もそう思っているわけで、誰かに頼ったり迷惑かけたりすることはそう悪いことじゃないんですよ。
つまり、人に気を使って本当の自分を出さないということは自己満足に過ぎないわけです。
むしろしっかり相手と向き合っていないということになるので、相手に失礼なことかもしれません。
生き辛いと感じている人は、少し本当の自分を出して人を頼ったり助けたりすることを考えてみては?(特大ブーメラン)
まあ自分を出しすぎてもあれですけどね。
CROSS†CHANNEL主人公の黒須太一のトラウマの一つが、知り合いの女の子に性癖を晒したらドン引きされたってやつで、いくらなんでも距離感つかめてなさすぎやろこいつってなりましたし。
黒須太一は本当の自分を誰かに受け入れてもらいたかった。だから母親の愛を思い出して人間になれたんだと読んだ当時思いましたが、もうちょっと考えることありそう。まあまた気が向いたとき再プレイします。
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俺ガイル主人公の八幡は更に捻くれていて、何も言わなくても通じて何があっても壊れない本物の関係が欲しい、とかいうバグったこと言ってます。読んだのだいぶ前なので間違ってたらすみません。
たしかにそれだと誰も傷つかないかもしれませんね。しかし人はエスパーじゃないんだからそんな事は無理です。
由比ヶ浜さんもっと言ってやってください。
私もそういう事考えていた時期ありましたけどね。びっくりするほど周りは私のことわかってなかったわ。
そんな「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」も最終巻が11月19日に発売です。(露骨な宣伝)
彼の言う本物の関係は見つかるのでしょうか。
百合論
いつになったら百合霊さんの感想書くんだよ! と思われるかもしれませんがもう少しお付き合いください。
こういうツイートがありました。
「一般的に、男にとって『友達』はお互い迷惑をかけあっていい存在で、『恋人』には迷惑をかけない。だが女にとっては逆。だから時として女性から見ると少年漫画の友情はナチュラルに恋愛関係に見える」という説を見て、けっこうなるほどと思っているので、裏付けの研究があれば知りたいものだぜ
— 額縁あいこ†別マガ『丹沢すだち』 (@gakubutiico) May 16, 2019
男にとっては女の友情が恋愛に見え、女にとっては男の友情が恋愛に見えるという話。
確かにNARUTOのナルトとサスケの関係は恋愛関係にしか見えないし、女同士で気を使い合って友達同士(友達とは言ってない)でいようとする関係も恋愛関係に見えなくもないですね。
まあそれは置いといて、
百合作品の楽しみ方って、女の子同士の関係が「気を使い合う関係」から「迷惑を掛け合う関係」に変わる過程を楽しむものだと思うんですよね。
これは片方、もしくは両方がノンケじゃないと成り立たないんですよ。
両方がレズなら、両方とも相手を受け入れてしまって、初っ端から迷惑を掛け合う関係になってしまうじゃないですか。これだと面白くない。
片方がラブコールを送るも、片方は倫理やらなんやらで迷っているといった関係がいいんですよ。
例を挙げると、「やがて君になる」「熱帯魚は雪に焦がれる」「将来的に死んでくれ」「まちカドまぞく」「つり乙のルナ様ルート」とかですね。
特に「やがて君になる」は本当に素晴らしい。これ以上の百合漫画が出る気がしない。
今放送中のドラマ、「新米姉妹のふたりごはん」も面白いです。
なんでこんな事を書いたかというと、「屋上の百合霊さん」のキャラがレズばっかりだったから。
みんな告白されたら秒速で堕ちる。悩んでたのは主人公くらい。各カップルもうちょっと心情の変化の過程を書いてほしかった。クリア後のおまけシナリオはそういうのメインですがちょっと遅いし量が少ないんですよね。
主人公が悩んだ末に交際を決めた理由も「悩んでる事全部なしにしたら好きという感情が残った」というお粗末なもの。
まあ百合の背徳感みたいなものはテーマじゃなかったし仕方ないかもしれませんが、その点はちょっと残念でした。
そういうところしっかりやってる百合ゲーないですかね?
FLOWERSっていうのが気になっていましたけど本スレがアンチスレみたいになってて買うのやめましたし。
あんまり男性女性と区別したくないですが、女性の方が圧倒的に心理描写うまいので女性がシナリオ書いた百合ゲーやりたいですね。
句読点、フォント
不満点その一。
キャプチャ見て気付いた人もいるかも知れませんが、屋上の百合霊さんの文章、句読点無駄に多いんですよ。
例えばこれ。
添削します。
去年同じクラスだったから、一応顔と名前は覚えてる。(私は)特に親しくはしていなかったけど、いつも三人(は)一緒にいたし。
これでいいです。
とても読みづらい。これがプレイ時間無駄にかかった理由の一つです。
おそらくライターさんは台本とか書く人なんじゃないですかね。
屋上の百合霊さん無印はボイスがないところが多いらしく、脳内再生のセリフに抑揚をつけるためにこれでもいいかもしれません。でもせめて地の文くらいは普通にしてほしかったですね。
5chやらTwitterやらでは句読点のない文が多いので、句読点が少ないほうが私は読みやすいです。
読みやすい文章っていうテーマだと結構語れてしまうので、それはまた別の機会に書きます。
なんか偉そうなこと書いてしまいましたが、私はすべてのクリエイターさんを尊敬しています。
この間ある文学賞に応募しようとしてそのまま締め切り過ぎて、こういうの何回も繰り返してますからね。作品を世に出してるのは本当にすごい。
次はフォントです。
フォントは設定で変えれます。上から三枚目のやつだけフォントが違うと思いますが、これがデフォルトのフォントです(MSゴシック)。
デフォルトのフォントだと少々無骨なので、ふい字フォントがおすすめです。
インストールすれば設定で出てきます。
ふい字フォントもそこまで視認性がいいフォントではないので読みやすいとは言いづらいですけど、雰囲気的には一番あってます。
一部ふい字はいいんですけど、全部ふい字のサイトはすごく読みづらいので変えたほうがいいと思います。
私は職業柄?いろんなフォントをPCに入れてるんですが、結局一番好きなのはヒラギノ角ゴです。一番見慣れてるフォントが一番読みやすいです。
私の環境では屋上の百合霊さんでヒラギノ角ゴ使えなかったのでちょっと残念でした。
他キャラ視点のパートが辛い
不満点その二。
屋上の百合霊さんは、カレンダーからエピソードを選び、進めていく形になります。
くまさんマークがメインエピソード、さくらんぼマークが他キャラ視点、りんごマークがクリア後のおまけエピソードです。
メインエピソードを一月分進める→他キャラ視点を一月分進める→次の月解放、って流れになります。
問題なのは、メインエピソードと他キャラ視点のエピソードが被ってる部分で、ほぼ同じエピソードを読むことになるんです。
管理人さんの口が悪いですがこのサイトにも同じこと書いてます。
他キャラ視点カットしてくれというのは同意です。
ほんと他キャラ視点がだるすぎて、他キャラ視点入ったわー怠いし一旦まとめサイトでも見に行くかーとなり、読んでる時も怠すぎて別サイト見に行った回数数しれず。
クリア後のおまけエピソードは心理描写メイン(百合は心理描写が一番面白い)でとても面白かったので、マジで他キャラ視点が足を引っ張ってました。
いっそ被ってるところは全スキップしてもいいかもしれません。
その他
主人公の声優かわしまりのだし、ちょっと冷めたキャラなので「素晴らしき日々」の由岐姉感があってよかったです。
季節によって衣替えで立ち絵が変わるのもよかったです。
エロシーンは各カップル一つずつです。エロというより美って感じでした。
親友ルートないとは思いませんでした。月刊少女野崎くんの友田みたいなノリでスピンオフ書いて欲しいです。
と思ったらありました。
文化祭の劇中歌よかったです。イントロで叫ぶのとか。声優も曲もRitaですし。
学校と家でのシーンしかないので、外でデートとかのシーンもちょっと欲しかったかも。
一番好きなシーンはやっぱり飴玉コロコロですね。芋の皮むくシーンも好きです。
好きなキャラはこのノンケ3人衆です。
以上!
色々書きましたが、今回書きたかったことはテーマについての箇所なので忘れた人はもう一回読んでね。