唯唯漂うただの海藻

本やゲームなどの感想とか好きなことを書いていく。

「Collar×Malice」感想-特別な存在であれ-

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たまには乙女ゲームの感想でも。

ネタバレ注意。

 

 

ストーリー

感想に入る前にあらすじ貼っておきます。

連続凶悪事件、通称・X-Day事件が起き、危険な街になってしまった新宿区で新人警察官として働く主人公。地域のために奔走していた主人公だったが、ある夜、何者かに襲われ、毒が内蔵された首輪をはめられてしまう。混乱する主人公の目の前に現れたのは、素性の怪しい男性たちだった。警察組織に所属していた経験のある彼らは、独自で凶悪事件を捜査しているのだという。突如、大事件の鍵を握ることとなってしまった主人公は、首輪を外すため、そして新宿区を再生させるために彼らと捜査を開始することになるが…。

引用元:Wikipedia

ジャンルとしてはサスペンスものになるんですかね。

新米警察である主人公の市香は攻略対象と一緒にX-Day事件という大きな事件を追っていくことになります。

榎本峰雄ルートでは4月と5月の事件、笹塚尊ルートでは6月と8月の事件、岡崎契ルートでは7月と11月の事件、白石景之ルートでは9月と10月の事件、柳愛時ルートでは事件の全貌を追っていくことになります。

なので推奨攻略順は榎本峰雄→笹塚尊→岡崎契→白石景之→柳愛時です。

Vita版とSwitch版がありますが、Switch版は本編とFDが一緒になっていてお得ですので今買うなら圧倒的にSwitch版がおすすめです。

Collar×Malice for Nintendo Switch

Collar×Malice for Nintendo Switch

  • 発売日: 2020/03/12
  • メディア: Video Game
 

榎本峰雄ルート

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最初に言っておきますが、私はキャラクターに対してあれこれ感想述べるのは苦手ですので、今回もテーマについての感想をメインに書いていきます。

まず、各攻略対象と事件の犯人の主張は、基本的に対立構造になっています。

榎本峰雄ルートでのテーマは、「信じたものに裏切られてもなお、前を向き自らの信じた正義を貫くか」です。

4月5月の事件の犯人(明確には犯人ではないが面倒なので犯人と記す以下同様)は、自らの正義を貫いた結果、誤認逮捕され、何もかも失ってしまい、復讐を決め、自らの正義を曲げてしまいました。

対して峰雄は、慕っていた先輩が自分が原因で罪を犯していたことを知り、何もかも信じることができなくなってしまっていました。ですが、自分の正義に対して一生懸命な市香と一緒に過ごしていくにつれ、過去ではなく前を向けるようになったわけです。

市香や他の仲間達がいたから、峰雄は立ち直ることができたわけですね。

シンプルでかつ、最後までプレイした今思い返すと正義というテーマに関する要点をしっかり抑えていてとてもいいシナリオだったと思います。

ちなみに私は5人の中で峰雄が一番好きです。一緒にいて楽しそう。友だちになりたい。

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あと蒼井翔太は聖人。

笹塚尊ルート

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笹塚尊ルートでのテーマは、「復讐するか否か」です。

6月の事件の犯人は、身内が自殺に追い込まれた結果、自殺に追い込んだ連中に復讐することを決めました。

対して尊は、母親を銃殺した犯人に復讐する機会を提示されましたが、愛する市香を悲しませたくなかったため、復讐せずに済みました。

はい、ご察しの通り、どのルートでも攻略対象が救われるための鍵は市香がそばで支えていたかいないかです。実に乙女ゲームらしいですね。

BADENDは面倒なのでほとんど回収していませんが、好感度が低いと攻略対象達や市香はアドニス側に行ってしまうんじゃないでしょうか。

・・・尊は5人の中でもキャラも見た目も濃いはずなのにあんまりストーリーについて書くことが思い浮かばないです。私もドーナツ好きなのでシンパシーを覚えて好きなキャラなんですがストーリーはちょっと地味だったかもしれません。

岡崎契ルート

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岡崎契ルートでのテーマは、「世界に絶望するか否か」です。

11月の事件の犯人は、正義感溢れる人物でしたが上司からのパワハラを受けて世界に絶望しました。

対して契は、目の前で同僚が自分を助けて死なれた過去を持ち、そんなふうに意味もなく死ぬくらいなら、守る価値のある誰かを守って死ぬという意味のある死に方をしたいとこだわるようになってしまいました。ですが、そうやって自殺の道具にされた市香は契を拒絶し、拒絶された契は市香の事を大切に想っていると気付いて市香と一緒に生きていきたいという願い、希望を見出しました。

このルートは前2ルートと違ってちょっとややこしく感じました。メインテーマはこれで合っていると思いますが、「正義とは自らにとって大切なものを守ること」「そのためには多少の犠牲は仕方がない」「自らの存在意義」このへんが少し絡んできます。1つ目はメインテーマと関係してくるので問題なし。2つ目は・・・どこかで回収しましたっけこれ。3つ目は次のルートへの布石でしょう。

私は5人の中で契に一番ファンタジーを感じました。峰雄と愛時みたいな人は普通にいそう。尊もまあ探せばいそう(ずば抜けたハッキング能力は置いといて)。景之は・・・うん。契は現実に一番いそうにないかなあ。いたとしても胡散臭すぎてなかよくなるのに時間がかかりそう。

白石景之ルート

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白石景之ルートでのテーマは、「自らの存在意義」です。

9月10月の事件の犯人は、両親が死んで親戚中をたらい回しにされ疎まれて育ち、世界に必要とされていないと感じながら生きてきました。

対して景之は、孤児だったところをアドニスに拾われて工作員となり、自由を感じず人形のように生きていました。ですが、市香と出会い市香の特別な存在になることで自らの存在意義を見出したわけですね。孫にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。なぜなら彼もまた特別な存在だからです。

テーマとしてはシンプルなのですが、シナリオは結構重かったです。

犯人の境遇もそうですし、終盤の展開にとても驚きました。

とてもじゃないけどハッピーエンドだとは思えなかったので、どこかで選択肢間違えたのかと攻略サイトを見ました。特に最後のトリガーアクションは成功させてよかったのかすごく悩みました。ですがどこも間違っておらず、なるほど、そういうのもあるのかと納得させられました。

もっと他にやりようあるやろと思わなくはないですが、景之としてはああするしかなかったんですね。

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あとここの人10人くらい殺してそうな市香好き。

柳愛時ルート

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柳愛時ルートでのテーマは、「哀しみを受け入れるかどうか」です。

最初の共通ルートから正体がバレバレだった黒幕Sは、哀しみを感じすぎて世界から哀しみを消し去ろうとしていました。世界から哀しみを消し去るというのは、世界から強者や悪者を全て排除し、弱者(普通の人間)だけの世界にすること。そもそも普通の人間の定義ってなんだよ。もうこれわかんねえな。

対して市香は、哀しんでいる人を助けたいという思いは同じでも、哀しみを全否定しているわけではありませんでした。哀しみがありそれを乗り越えたからこそ喜びや幸せもあった。それに気づき、哀しみを消すのは間違いだという考えに至りました。

哀しみではなくて過去とも言い変えることができるかもしれません。

愛時は、他人の人生を壊してしまった過去を悔やんでいました。けれども、市香に今の自分を受け入れてもらうことで、前に進むことができました。

さて、哀しみや過去を受け入れて前に進むにはどうすればいいのでしょう。答えは、誰かと支え合うことです。結局全部これに行き着くんだよなあ・・・。

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どうでもいいけど愛時のイベントスチルの作画安定してなくないですか。立ち絵のときの横顔はかっこええのに。

正義とは結局なんだったのか

やたらと強調されていた正義というワードですが、私もうまいことまとめられないのでとりあえず本編であった主張をいくつか抜き出してみたいと思います。

「哀しんでいる人を助けること(Chapter0)」、「特に定義のないもの(全ルート)」、「大切なものを守り抜くこと(主に契ルート)」、「過去など関係なく、自分に正直に動けばいい(全ルート)」、「哀しみに負けないためにも人は強くあり続けなければならない(愛時ルート)」、「大好きな人が隣にいれば強くいられる(全ルート)」

パッと思い出せるのはこれくらいでしょうか。

自分なりにまとめてみます。

うーんやっぱりうまいことまとめられない・・・。契の言っていた、「大切なものを守り抜くこと」にだいたい集約されている気がします。

特別な人を作り、その人のために頑張ったり支え合ったりするのが正義なんじゃないでしょうか。そうしているうちに、哀しみを乗り越えられる強い信念も生成されていくことでしょうし。

そんな感じで許してください😇。

黒幕Sも弱者だとか強者だとかに拘ってないで御國にもうちょっと心を開いてればよかったんじゃないですかね。たぶん御國はそういった弱さも受け入れてくれたと思うんですけど。

雑感

乙女ゲーム初プレイでしたが、結構楽しめました。

私はガチガチの恋愛ものがあまり得意ではないので、乙女ゲームや恋愛メインのノベルゲームを避けていたんですが、これくらいの糖度(イチャイチャ度合いを糖度と呼ぶらしい最近知った)でしたら全然問題なかったです。

まあこの設定だとイチャイチャしている余裕全然ないですしね。キャラクター達が事件解決に向けて忙しすぎて全然寝てないのが心配になったくらいです。

糖度が欲しい人はFDをどうぞって感じなんでしょうね。私はそこまでやる気力がないのでここで終わりますが。

これだったら妹からPSVita譲り受けた時に乙女ゲームはあんまりいらんって言うんじゃなかったなあ・・・。「Code:Realize」や「AMNESIA」や「薄桜鬼」などその他いろいろプレイした形跡があったし私もやってみたかった。たぶんもう売ってしまったっぽい。悲しいなあ。

あ、妹は私と違ってちゃんと恋愛した上で二次元最高やと言ってるような奴です。私みたいに端っから恋愛?知らん😇と捨てている奴とは違いますのであしからず。

Vitaのソフト漁るのもいいですけど、最近の主流は乙女ゲーもギャルゲーもSwitchっぽいですね。調べた感じ、Vita版の上位互換がSwitchで出てることが多いです。

これやりたいんですけど誰か持ってたら貸してください😇。

BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ) - Switch

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  • 発売日: 2019/12/19
  • メディア: Video Game